#あたシモ

アメリカで働くレズの徒然

9歳の少年と「もう一人のママ」

photo by RG&B

先日友人宅で行われたホームパーティに小学校低学年の子どもが何人かいた。

1人は、友人がまだレズビアンだと気づく前の結婚でもうけた娘(8歳)で、以前にも話を聞いていたり、スマホで写真を見せてもらったりしてたので、「ああ、あの子ね!」って感じだった。もうひとりの男の子(9歳)もめちゃくちゃフレンドリーで元気で、レズビアンカップル(30代後半くらい?)と一緒に来ていて、そこにいる他のレズビアンとも顔見知りらしく、大はしゃぎで楽しんでいた。

しかし、どうもそのカップルたちはつきあいだしたばかりのようで、「親」ではない方の彼女と子どもには微妙な距離がある。さらに会話を続けると、その子には、「もう一人のママ」がいて、そちらのママとよく遊んでいるらしいということがわかった。

彼が彼女が男性との間との間にもうけた子どもなら、子どもが定期的に会うのは「もう一人のママ」ではなくて、「父親」のはず。でもそうじゃないということは、この子は、レズビアンカップルが二人で育てようと相談して産んだ(またはアドプトした)子どもなんだ。……そう、彼女は近年増え続けている「同性離婚」の経験者だったのだ。

(補足。同性婚が法律で認められる前から、実質的に配偶者としての権利を保障するためのドメスティックパートナー制はカリフォルニアをはじめとする多くの州に存在し、「実質的に結婚」しているレズビアンカップルたちは、精子バンクやその他のサービスを利用して子どもを産んできたんだよね。また結婚が合法になる前から、ドメスティックパートナーと「別れる」というケースは徐々に増えてきていた)

子どもが目の前にいるし、そのカップルとも初対面だったので、込み入った話はしなかったけれど、子どもだらけのホームパーティで、子どもと話したりもしながら、レズビアンコミュティの中にも確実に多様な家族像が生まれつつあるなあと思った。

同性婚が増えれば、同性出産、同性子育てが増える。同性DVも増えるだろうし、同性婚をしてる人の不倫や略奪愛だって増えるだろう。離婚や財産分与、そして子どもの監護権……。そういうのも全部、やってくるのだ。

社会はどんどん変わっていく。

そして、こういう子どもたち……学校に通い、地元のサッカーチームでプレイしつつも、ゲイのカップルに育てられ、周りにゲイの友人もたくさんいる、というような彼らが大人になった時、また社会は全然違う感じになっているんだろう。楽しみだ。