ざっくり言うと↓
アメリカの大手小売店が、不必要にジェンダー別に分かれている売り場をなくす方向に動いてるよーという話。
ターゲットの発表
ターゲットは、生活用品を取り扱っている大型小売チェーンです。店内には「食品」「薬局」「電化製品」「スポーツ」「アパレル」「下着」「靴」などいろんなものをひと通り置いてあって、それぞれわかりやすくジャンル分けしてあります。
アパレルや下着、靴などは、サイズの関係もあり、全てジェンダー別に分かれているのですが、必ずしもそうでもない子ども用品なども「男の子向け」「女の子向け」って全部ジェンダー別に分けられていたんですよね。しかし、実際には「おもちゃ、家庭用品、エンターテイメント」など、サイズなどが関係ないジャンルはジェンダーで分ける必要ないよね!ということで、例えばベッド用品やおもちゃ売り場は「男児向け」「女児向け」のコーナーを一緒にして「子供向け」にするんだとか*1。今後数ヶ月かけて店舗を変えていく計画とのこと。ターゲットはわたしもよく行くので、今度写真撮ってきます。今すぐ撮ったらビフォー・アフターがわかるかな?
わたしの勝手なイメージでは、「保守派が買い物する店ウォルマート」「リベラルが買い物する店ターゲット」って感じだったんですが、ターゲットの今回の発表は、まさにそのイメージを裏付けてくれるものでした。
炎上していたターゲット
この変更は顧客からの声を受けて産まれたものだそう。ターゲットの「女児向け」サインというのは、実はネット上で炎上してたんですね。
Don't do this, @Target pic.twitter.com/cfh3cp5Nqa
— Abi Bechtel (@abianne) 2015, 6月 1
↑「そこ『女児用』で分ける必要ある?」という……。
「男児向けおもちゃ」で消される女の子のキャラクター
あと、これはターゲットとは直接関係ありませんが、ディズニー映画『ベイマックス』グッズで、なぜか女の子のキャラクターハニーレモンとゴーゴーだけが省かれたグッズが売られていたり、『アベンジャーズ』のグッズでも ブラックウィドウは省かれてたり、ということで「#IncludeTheGirls(女の子も含めてください!)」というハッシュタグが出現した、ということもありました。←映画にはちゃんと出てるんだから、グッズで男女分けなくてもいいだろー!と思いますが。問い合わせを受けておもちゃ会社は「男の子は女の子のキャラクターが印刷されてると『うへー女だ!』と嫌がるので」と回答*2。おいおい。常に「男の子用」「女の子用」って峻別してるから、子供自身の頭のなかでもそういう風になっちゃうんですよね。そしてこれって「些細なこと」に思えるかもしれませんが、子供の自尊心に結構影響を与えるものなんですよね。
↑全員揃っててこそ、『BIG HERO6』(ベイマックスの原題)でしょ!
……というわけで、「ジェンダーニュートラルなおもちゃ」への要望が高まっていたところへの今回の発表。グッジョブ!ターゲットという大企業のこの動きが、おもちゃ会社をはじめとする他の企業、そして、おもちゃで遊ぶ子供たち自身へもよい影響を与えてくれるといいな、と願っています。
american-setsuyaku.hatenablog.com
合同出版
売り上げランキング: 92,881