#あたシモ

アメリカで働くレズの徒然

インドのお見合い番組『インディアン・マッチメイキング』と東南アジアの「カラリズム」

ネトフリのお見合い番組インディアンマッチメイキング

インドのお見合いをテーマにしたリアリティ番組『インディアン・マッチメイキング』をネトフリで観ました!

『インディアン・マッチメイキング』はインドとアメリカをまたにかけて活躍するマッチメイカー(お見合いおばさん)のシミ・タパリアと、結婚相手を探すインド人たちの悲喜こもごもを描いたリアリティ・ショー。

テキサスに住む34歳の女性弁護士、母親からプレッシャーをかけられる25歳の男子、南米ガイアナからの移民だが、エスニックなルーツがインドのため、インド系の出会いを求める32歳の女性、バツイチ子持ちで出会いを求める女性……多才な出演者が登場します。

インド文化は、その派手な結婚式のイメージが強いですが、この番組を観て改めていろいろインドについて、インドの恋愛文化について衝撃の事実を学びました。 

  • 結婚へのプレッシャーすごい
  • 宗教が大事
  • 家族と仲良くなるの大切
  • 交際スタートしたら即結婚
・身長や体型へのこだわりすごい
  • 星座へのこだわりすごい


もちろんこのショーで描かれているのはインドの一部にすぎないと思うし、これらの文化について良し悪しをジャッジするつもりはありませんが、上記のようなトピックと絡んで、色々な批判が出てきています。

セクシズム 体型差別 カラリズム(肌の色に基づく差別:インド人の中での話なので微妙に人種差別とは別の用語が選ばれていますが、実際には関係があります。 カースト制度

お見合いおばさんのシミや登場人物たちの家族の語る結婚観は伝統的で、ジェンダー観とか割と古くさく、モダンな登場人物と意見が合わないことも。観ているこちら側がイライラする場面もありました。実際「セクシズムや体型差別を正当化している!」という批判が出てきています。また、わたしには用語がわからずピンとこなかったのですが、インドからの反応を見ると、カースト制度を正当化しているという内容でも批判があるようです。

このような事情は抱えているもの、とにかくいろいろな人の人生が垣間見れて興味深い。大きなドラマもなく、空き時間にサクッと観られる作品となっています。

あと面白かったのは、シミが仏教徒なのですが途中で南無妙法蓮華経〜と、日本人にも馴染みのあるマントラを唱えていたことです。


さて、カラリズム(「肌の色」に基づく差別)が問題になっているのは、インドだけではありません。中南米や、米国の黒人社会、そして、東南アジアなどでも同様の問題があると言われています。

フィリピンでは、身体に有害だが安価な「水銀」を使った肌を白くするクリームが問題になっています。健康被害の危険も顧みず、あの手この手で肌を白くしようとするフィリピンの人々の姿と、違法なクリームを取り締まろうとする人を追ったドキュメンタリーがYouTubeで観られます。

この動画でわかるのは「肌を白くしたい」というのは、純粋に美的な要請ではなく、歴史的に多くの宗主国に支配されたフィリピンにおいては、肌の色が社会階級と結びついており、「肌の色が白い」ことで地位・権力・成功が手に入ると考えられている点。

2016年には、タイで美白化粧品のCMが炎上しました。

「白い肌が成功の鍵」だと訴えるクリエーティブは国際的には「人種差別的」だと非難を浴びましたが、実際タイ国内で放映されたこのCMの真の問題は、他人種を貶めるという意味での人種差別というよりも、同じ人種内での「カラリズム」なのかもしれません。