今日は「イチカワユウはトランスじゃないくせに、なんでトランスネタを書くのか」っていうことを書きたいと思います。
トランスジェンダーと同性愛
前提知識として「同性愛」と「トランスジェンダー」についておさらいです。この二つの概念は単に「別者」というより、ベクトルが違うんですね。
・トランスジェンダー --自分の性別の話 ・同性愛 --相手の性別の話
「トランスジェンダー」は、自らの性別をどうとらえ、それをどう表現するか(ジェンダー表現)という「性自認」の話なのに対し、「同性愛」は、自分自身のことではなく性愛の対象がどこに向いているかという「性的指向」の話です。
よく「同性愛だとカムアウトしたら『心は男(女)なんでしょう?』とか『手術はするの?』とか聞かれてうんざりした」という話がありますが、これは、典型的な性自認と性的指向の混乱ですね。ものすごく基本的な誤解で、悪気がないのはわかるのですが、当事者としてはイライラすることもあります。
念の為に書いておきますが、同性愛者が皆「心は異性」なわけではないです。外見や身のこなしがどんなに「男っぽく」「女っぽく」見えても「心の性別もそう」とは限りません。多くのレズビアンは「自分のことを女性」と考えていて、「胸邪魔だな」とか「生理うざい」とか思っていても、それなりに、自分の体と折り合いをつけています。ゲイ男性もそうだと思います。 まずは、ここらへんをしっかり分けて混同しないように理解してくださいね。このyほうにトランスジェンダーの問題はトランスジェンダーの問題、同性愛の問題は同性愛の問題。まったく別物の問題のように見えてきます。
しかし、それでも「あえて」レズビアンの話とトランスジェンダーの話を両方しなければいけない時があるんですよね。
レズビアンのなかにも、トランスジェンダーはいる
その理由を、ものすごく単純に言うなら、レズビアンとトランスジェンダーはものすごく深く関わりがあるからなんです。関わりが深い、だけでなくもっと直接的には「かぶってる」から人も多いです。かぶり続けている人もいれば、、出て行ったり、入ってきたり、という移行的な関わり方をする人もいます。
レズビアンコミュニティーの中にはトランスジェンダーが存在するのが普通であって、「トランスのまったく存在しないレズビアンコミュニティー」というのは、意識的にトランス排除でもしない限りできないと思います。
FTMとレズビアン
FTMとレズビアンは、当事者同士が意識的に混同されることと避けようとする傾向があるように思います。
男性自認を確立し、外からも「男として見られたい」としているFTMは、そのアイデンティティーを確立する過程で「レズビアンではない」と強く主張しることがあります。レズビアンの側も女の子の取り合いになるからなのか何なのか、FTMに対して「男なら来るな」というような排他的な態度を取ることがあったりします。
どっちもどっちなのですが、実はこのようなFTMとレズビアンにも結構深い関係があります。
まず、レズビアンコミュニティーに出入りしててからだんだんとトランスアイデンティティーを確立していくFTMは少なくありません((もちろん、まったくレズビアンコミュニティーを経由せず、完全にノンケの世界のなかで生きているFTMも多いです))。昔レズビアンコミュニティーでよく見かけていた子に数年後再会したら、名前が変わってて、ホルモン打ってた……という経験はありませんか?男としてパスするようになるうち、つきあう仲間も変わっていって、レズビアンコミュニティーと疎遠になっていく……というケースもあるけど、昔の仲間とのつきあいを大事にし続け、「アーライ」として支えてくれるFTMもいるよね。
あと、ボーイッシュ好きなレズビアンがFTMとパートナーになることが結構あります。本来であれば、ないはずなんですが、現実にはあるんですよね。FTMとストレート女性(またはゲイ・バイ男性)ということであれば、既存の「ストレート恋愛」、「ゲイ恋愛」の枠組みに乗っかれるのですが、こういう「一見わかりづらいけど現実には結構ある」ケースの場合、なかなかカテゴリを超えて体験を共有できる人がいなかったりします。
交際相手の性自認が、自分のセクシャリティーに影響を与えたり、逆に、自分のアイデンティティーを強く持つことが、交際相手にとってリスペクトがないというか「辛い」状況になりかねないんですよね。LGBTのカテゴリも、結構曖昧で、お互いに移行したり、影響を与えあったりするんです
MTFとレズビアンについて
次に、MTFとレズビアンについて。MTFで女性が好きな人は結構います。MTF同士でつきあってるレズビアンは、あまりレズビアンコミュニティーに入ってこない気もしますが、片方がシス女性の場合は、レズビアンコミュニティーに結構います。日本のレズビアンコミュニティーのなかには、「戸籍上女性」という枠で切っているイベントが結構多いので、戸籍変更前のMTFやそのパートナーにとっては辛いものがあります(FTMは入れるんですよね。本人の自認を尊重するなら、逆になる気がするのですが)。
レズビアンは、シスストレート男性の性の対象にされてきたという背景があるため、利用されたくないとか抵抗したいという気持ちがコミュニティーにはあり、それが「男性立ち入り禁止」だとか「MTF」を厳しく見る目につながっているんだと思います。しかし、シス男性とトランス女性を一緒のものとして扱うのはトランス女性に対して、まったく不当な扱いだと思います。
一部のレズビアンのMTFへの無知・無関心などの冷淡さには、正直トランスフォビアを感じることもあります。
まとめ
このように、レズビアンコミュニティーのなかにはトランスジェンダーが存在し、深く絡んでいるにも関わらず、その2つの世界はまるで別物であるかのように語られることが多いような気がします。だから、わたしは自分への課題として、トランス(特にLGBのトランス)に関する情報を知りたい、もっと理解したいと考えているのです。
……ま、でもこのブログって別に「レズビアンブログ」でもなければ「LGBTブログ」ではないんですよね。一応書く本人が「女好きの女」であるために、それに関する情報が多いし、読者の方も「そういう内容」を期待されている方が多いのかな?と思ったりしますが、基本的には、わたしの興味あることについて、書いていく「雑記ブログ」です
今後ともよろしくお願いします。
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