#あたシモ

アメリカで働くレズの徒然

あなたはわたしを絶対に好きになることはないだろう

Maxim [US] February 2015 (単号)

世の中には、諦めなきゃいけないことってのがある。どんなに強く望んでも、どんなに必死で願っても、どうしようもないことがある。

一度口にした言葉は取り消せないし、失った時間は巻き戻せないし、亡くなった人は戻ってこない。

そして、恋愛においても、そんな冷徹な真実と言うものはある。どんなにあなたを思い慕っても、あなたはわたしのことを同じように見ることはない。絶対に。

それは「人はいつか死ぬ」ってことと、同じくらい、真実。めちゃくちゃ受け入れ難くて、忘れたふりしたいのも同じ。でも諦めて飲み込まなきゃいけない。

不機嫌になっても無駄だし、あの手この手で操ろうとしても、無理。何をやっても人の気持ちを変えることなんてできない。好かれるために、唯一できるとしたら、「友達戦略」くらい。

でも、それ、一番うまくいっても、友達になれるだけ。空しいよね。別に友達になりたい訳じゃないんだもん。気持ち悪いじゃん。下心付きの「友達」なんてさ。そーゆーの、ビンビン伝わってるよ?そんなの、本当は友達じゃないよ。

人を好きになるとワクワクしたり、それなりに楽しい時もあるけど、こーゆー無力感と自信の無さと絶望にさいなまされるから嫌なんだよね。

米:「独立宣言」で怒り出す、恥ずかしい「愛国者」たち

USA

7月4日はアメリカの独立記念日でした。

アメリカに引っ越してきた直後は「深く考えずアメリカばんざーい!」と無邪気に祝福していたわたし。しかし、「独立記念日」の歴史を知るにつれ「そうだったのかッ!」ってショックを受けたことがあります。

「白人男性」のための独立記念日

前回、[オレゴン州が設立した当時のレイシストな状](http://www.atashimo.com/entry/oregon)況などを紹介しましたが、実は、このようなメンタリティーはなにも、オレゴン州に限ったことではありませんでした。

オシャレな インテリアに レプリカ風 アメリカ独立宣言 ポスター 52×42cm

トーマス・ジェファーソンが起草し、1776年に、5人の委員が署名したアメリカの独立宣言は「全ての人間は平等に造られている」と唱え、不可侵・不可譲の自然権として「生命、自由、幸福の追求」の権利が謳われています。しかし、実はこの理想は「白人男性」のみを対象としたものでした。黒人や女性は「平等」の枠外から外されていました。だって、彼らはmen(人間)じゃないし!ってことです!これは知った時、結構衝撃でした。

トーマス・ジェファーソンを初めとする多くの政治家は、奴隷を所有していましたし、奴隷制は1865年まで続きました。また、アメリカで女性に参政権が認められたのは1920年のことでした。

もちろん、だからといって、この「独立宣言」の内容の大切さが損なわれているわけではありません。公民権運動も、女性参政権運動も、皆、この独立宣言で謳われた「平等原則」をテコにして主張され、その対象を押し広げてきたわけですからね。

そういう意味ではやっぱり、独立宣言は今もアメリカの基盤となる考えを示した偉大な文書なのです。

独立宣言を聞いて「プロパガンダ」だと怒り出す人

そんな「独立宣言」ですが、今年は面白い事件がありました。アメリカにはNPRという公共放送がありまして、過去29年間、独立記念日に、独立宣言を読み上げて放送してるんですよね。そして、今年はそれをツイッター上でもやったわけです。ツイッターは、一度に140文字しかかけないので、NPRのアカウントは延々と少しずつ独立宣言をツイートしていったんですね。

ツイッター上は、これが「独立宣言」だと気づかず、これをトランプ大統領への批判と捉えた人もいるらしく、さまざまな反応が集まりました。

「NPRのアカウントが乗っ取られた」

「NPRが革命を呼びかけている」

「フェイクニュースだ」

「プロパガンダだ」

「他所でやれ」

「NPRが政治的な立場を明らかにするのはよくないのでは」

「やれやれ」

いやいや、あなたたち、自分の国の独立宣言もわかんないの?Make America Great Againって歴史も知らずに言ってるの?やっぱりトランプ支持者って

上のようなツイートをしてしまった恥ずかしい人々の多くは、後にこれが「独立宣言」だと気づき、自分のツイートやアカウントを削除しています。なかには「間違えたよ!でも平均的なアメリカ人は、あれが独立宣言だなんて気づかないよな?」と間違いを認めているアカウントもありました。

皮肉なもので、外国人がアメリカ市民権を取る時って、簡単なテストがあるのですが、これに独立宣言についての問題がでるので、外国人は結構独立宣言の内容とかについて勉強してるんですよ。「平均的なアメリカ人」の知的レベルはわかりませんが、もしかしたら、外国籍から市民権を取った人の方が、独立宣言やアメリカの成り立ちについて詳しい可能性ありますね。笑。

No, NPR is not trying to start a revolution - CNN.com

Some Trump supporters thought NPR tweeted ‘propaganda.’ It was the Declaration of Independence. - The Washington Post

でも、日本でも、仮に憲法の条文が読み上げられている時、「あっ憲法だ」って気づけない人って、結構いるのかもしれません。わたしも途中の条文言われてもわかんない気がしてきた。

↑芦部憲法がKindleで読める時代っ!

ま、独立記念日は花火とバーベキューだよね?

といっても多くのアメリカ人にとって、独立記念日は「花火を見て、肉を焼く日」です。

BBQ 2011

わたしも、友達の家で花火を見ましたよー。楽しかったのですが、日本の花火が懐かしくなりました。単にわたしの好みかもしれませんが……日本とアメリカの花火は全然比べ物になりません。「お寿司」以上に差がある気がします。これから花火大会の季節。ぜひ楽しんでくださいね。

www.atashimo.com

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「カリフォルニアに帰れ!」今、オレゴンに何がおこっているのか?そして知られざるオレゴン州の成り立ち

近年のオレゴン州(というかポートランド)ブームで、多くのカリフォルニア人が、オレゴン州に引っ越しています。その結果、オレゴン州の不動産価格は高騰し、反発した地元住民たちが、移住者に対して「カリフォルニアに帰れ」というメッセージを投げつけるような自体が生まれているそうです。

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ナイル・ホーランの来日を機に考える「ワン・ダイレクションとトランプ大統領」

Slow Hands

現在、元ワン・ダイレクション(1D)のナイル・ホーランが、ソロ・アーティストとして初めて来日しているそうなので、ナイル・ホーランと、ドナルド・トランプの関係について調べてみました。

ナイルは、2016年の誕生日には、ドナルド・トランプをかたどったピニャータ(メキシコなどで使われる紙製のくす玉人形。なかにお菓子がつまっており、目隠しをして棒で叩いて割る)を叩いて楽しんでいたそうです*1

また、また、ナイルだけでなく、現在活動停止中のワン・ダイレクション(1D)がまだグループとして活躍していた時に、トランプ大統領とあった「ごたごた」については、リアム・ペインが今年になって、雑誌『Rollacoaster 』のインタビューで明らかにしています。

ワン・ダイレクション(1D)のメンバーがホテルに宿泊して眠っていたところ、トランプ大統領からマネージャーに電話がかかってきて、「娘をワン・ダイレクションに会わせろ」と要求。マネージャーが「メンバーは既に眠っている」として要求を断ると、ホテルから追い出されてしまったとのこと……*2!これは、ことで明らかになったものですが、この事件があった当時は、トランプはまだ大統領ではありませんでしたが、この傍若無人ぶり!ある意味すごいですね。

ワン・ダイレクション自体は、イギリス出身のアイドルグループですが、トランプ大統領は、アメリカ国外でもかなりの嫌われ者で、個人的には、大統領選挙後、ヨーロッパ在住の友達から「ご愁傷様」なんていうメッセージが飛んできたこともありましたが、(元)ワン・ダイレクションのメンバーたちは、トランプ大統領に対してどんな気持ちを抱いているのでしょうね?

フラッシュバック

wedding dresses

その漫画が何だったのかは忘れた。

その時、わたしは当時つきあっていた彼女と2人で宇田川町のカフェに座って、買ったばかりの百合漫画を袋から出して読んでいた。そこには、つきあっていた元カノが、男と結婚する……というストーリーが描かれていた。

結婚式の日、ウェディングドレスに身を包んだ花嫁を見て、感極まる主人公。

「あなたが男だったらいいのに」

「男だったら、結婚したかったのに」

それが口癖だった彼女。

別れ際に「もう誰にも二度とこんな思いはさせてほしくないから、二度と女の子とつきあわないでね」と言って別れた彼女。

彼女は、わたしがネットで、レズビアン系のオフ会を見つけて行ったり、友達を増やすのが嫌だと言っていた。ヤキモチとかじゃなくて、わたしが「そっちの世界」に行ってしまう気がして嫌だったそうだ。

「そっちの世界」って何なんだろう?

わたしは、「自分の世界」を見つけようと必死だった。

それは、彼女からしたら「そっちの世界」だったのかもしれない。

でもわたしからしたら、「こっちの世界」こそが、わたしの世界。わたしが、自分らしくいられる世界だったんだ。

結婚したければ、子どもを持ちたければ、回りから祝福されたければ、いつか同性の恋人とは、別れるしかない……。そんなの、嘘だよね。

女同士だって、結婚したければできるし、子どもを産みたければ産める。やりたいことは全部できる。「女同士だから」とかいう理由で、何も我慢する必要なんて、ないんだ。

でも、一つだけ自分が変えられないとしたら、それはその時「男と結婚したい」って思った彼女の考え方だけだと思う

気がついたら、わたしは漫画を読みながら泣いていた。そして、そんな私の涙を見て、彼女も泣いていた。

「どうして、元カノのことを思い出して泣くの?」って。

ごめんね。

別に、彼女への未練が残っていたわけじゃない。ただ、涙脆いから泣いたんだと思う。

それでも、いつでも、好きな子が「あっちの世界」に行ってしまったと感じるときは悲しいよね。

本当は、皆、結婚したって、子どもを産んだって、同じ「一つの世界」に住んでいる。

北海道に行っても、中国に行っても、東京に帰っても、タイに引っ越しても、ベトナムで働いても、仕事を辞めたって、遠く離れたって、心は近くにいる。結婚して子どもを産んだ後「戻ってくる」子だっている。わたしの回りにもいる。小さい子どもを連れて、離婚して、「やっぱり女が好き」みたいなの。

でも、それが事実だとしても、悲しい寂しい気持ちは消えないよね。いくつになっても。もうその子と時間を気にせずじゃれ合って、夜中飲み明かすことはないんだって。もうそういうチャンスは一生失われてしまったんだって。そういうことをできた時も、確かにあったのに、でもそんな時間は通り過ぎてしまった。そして一生もう戻ってこない。

別れる時よりも、もっと確実な「別れ」。二度と元に戻ることのない、不可逆な変化。

だから、わたしは泣いたんだと思う。あの日。

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