ミュージカル『ハミルトン』の歌の意味をものすご〜く簡単に紹介します。
で、ちょっと説明すると、『ハミルトン』ってもともと歴史的な話で(日本で言うと『勧進帳』とか『忠臣蔵』的な存在?)、アメリカでは大体の結末を知っているそうです。そこで、ネタバレをそれほど気にせず、歴史はもちろん、用語や登場人物などガッツリ下調べをしてから観た方が楽しめると思います!
もっとも、基本的にはバーとハミルトンのライバル物語であり、また、恋愛的要素や親子愛の要素もあるので、歴史に弱い人でも楽しめます。
- ACT I
- Alexander Hamilton
- Aaron Burr, Sir
- My Shot
- The Story Of Tonight
- The Schuyler Sisters
- Farmer Refuted
- You'll Be Back
- Right Hand Man
- A Winter's Ball
- Helpless
- Satisfied
- The Story Of Tonight (Reprise)
- Wait For It
- Stay Alive
- Ten Duel Commandments
- Meet Me Inside
- That Would Be Enough
- Guns And Ships
- History Has Its Eyes On You
- Yorktown (The World Turned Upside Down)
- What Comes Next?
- Dear Theodosia
- Non-Stop
- ACT II
- What'd I Miss?
- Cabinet Battle #1
- Take A Break
- Say No To This
- The Room Where It Happens
- Schuyler Defeated
- Cabinet Battle #2
- Washington On Your Side
- One Last Time
- I Know Him
- The Adams Administration
- We Know
- Hurricane
- The Reynolds Pamphlet
- Burn
- Blow Us All Away
- Stay Alive (Reprise)
- It's Quiet Uptown
- The Election Of 1800
- Your Obedient Servant
- Best Of Wives And Best Of Women
- The World Was Wide Enough
- Who Lives, Who Dies, Who Tells Your Story
ACT I
Alexander Hamilton
カリブ海出身の孤児であるアレクサンダー・ハミルトンの生涯を、皆が歌う。 「俺が彼を撃った」というのが、アーロン・バーである。
Aaron Burr, Sir
1776年のニューヨーク、速く大学を卒業して独立戦争に参加したいハミルトンは、アーロン・バーに対し「どうやってそんなに速く卒業したんですか?」とアドバイスを求める。バーは「喋りすぎず、もっと笑うように。自分が何に賛成で何に反対なのか、他人からわからないようにしろ」と忠告する。お互い孤児であることで意気投合した二人はバーに行く。ハミルトンと、独立戦争に燃える三人の若者(ローレンス・マリガン・ラファイエット)は、革命に対して慎重なアーロン・バーの姿勢が理解できない。
My Shot
自分の信念をまくし立て、その熱意と語彙でローレンス・マリガン・ラファイエットたちを感服させるハミルトン。早速革命のリーダーとして担ぎ上げられるが、アーロン・バーは「慎重に進めた方がいい」と冷めた目でいる。しかし、ハミルトンは自分の信念とビジョンを歌い上げる。
The Story Of Tonight
ローレンス・マリガン・ラファイエットとハミルトンの四人は「後世の人々がこの日のことを語るだろう」と想像しながら、革命という信念のために人生を捧げることを誓う。
The Schuyler Sisters
裕福なスカイラー家の三姉妹、アンジェリカ・イライザ・ペギーは、革命の雰囲気にワクワクしながら、ニューヨークの街を歩いている。 アーロン・バーは姉妹を誘惑しようとするが失敗する。
Farmer Refuted
アメリカ独立に反対のサミュエル・シーバリーは、革命はを諌めようと説教を始めるが、ハミルトンは舌鋒鋭く論破する。
You'll Be Back
イギリスの国王ジョージ三世は、自分の植民地であるアメリカを手放さないという意思を歌い上げる。
Right Hand Man
革命軍に入ったハミルトンは、前線で戦いたくもあるが、革命軍のリーダージョージ・ワシントン将軍の元で右腕として働くことになる。
A Winter's Ball
スカイラー家で行われた舞踏会に参加した男たち。裕福なスカイラー家の娘と結婚することができれば、自らの名声もあがる。そこで、ハミルトンはスカイラー姉妹と出会う。
Helpless
ハミルトンに一目惚れしたスカイラー姉妹のイライザ。ハミルトンは、アンジェリカに紹介された妹のイライザと恋に落ちる。
Satisfied
ハミルトンとイライザの結婚式。妹のイライザの結婚を祝福する姉のアンジェリカだが、実は彼女自身ハミルトンに惹かれていたことを回想する。ハミルトンとアンジェリカはお互いに「決して満足しない」という性格が共通していた。しかし、長女として「金持ちの男と結婚する」という使命を帯びていたアンジェリカは、自分の幸せを犠牲にして、妹の幸せを祈る。
The Story Of Tonight (Reprise)
「ハミルトンが結婚できるなら」と喜ぶ友達のローレンス・マリガン・ファライエット。そこに現れたアーロン・バーは実はイギリス軍人の妻を関係を持っていることを認める。「もしも彼女を愛しているなら堂々と奪えばいいのに」と考えるハミルトンは、つくづくアーロン・バーのことを理解できない。
Wait For It
アーロン・バーは、愛人セオドシアへの思いや、ハミルトンへの思いを歌いながら、自分にチャンスが巡ってくるのを待つ。
Stay Alive
ワシントンから将軍として使命されることを求めていたハミルトン。しかし、ワシントンはハミルトンではなくチャールズ・リーを将軍として任命する。しかし、リーは、ワシントンの命令に逆らう。代わりにラファイエットに指揮をさせるワシントンだが、リーは、それを恨みに思い、ワシントンの悪口を言いふらす。ハミルトンは決闘をしたいと思うが、ワシントンから直に禁じられている。そのため、親友のローレンスが代わりに決闘を行うと申し出る。
Ten Duel Commandments
ローレンスとリーは決闘を行う。ローレンスの付添人はハミルトンで、リーの付添人は、アーロン・バーだった。決闘の結果、リーは怪我をして降参する。
Meet Me Inside
ローレンスとリーの決闘に怒ったワシントンは、ハミルトンを呼び出し、帰宅命令を出す。
That Would Be Enough
家に帰ったハミルトンは、妻のイライザから妊娠していることを告げられる。イライザは幸せになるためには名声などはいらないと訴える。
Guns And Ships
ラファイエットは、独立戦争を指揮し、フランスからさらなる資金を引き出すなどして活躍する。そしてヨークタウンで勝利を上げればイギリスを打ち負かせるところまで行くが、そのためにはハミルトンが必要だとワシントンに訴える。ワシントンは、ようやく、ハミルトンに出撃の命令を出す。
History Has Its Eyes On You
ジョージ・ワシントンは、自らの若い頃を回想しながら、ハミルトンにアドバイスを与える。その内容は、誰が生き、死に、そして誰が自分の物語を語るのかということは、コントロールできない、「歴史が見ている」ということを意識せよということだった。
Yorktown (The World Turned Upside Down)
1781年のヨークタウンの戦いで、アメリカ革命軍は勝利をおさめる。
What Comes Next?
フランス及びスペインも参戦し、独立戦争に敗北したイギリスのジョージ三世は、独立後のアメリカを憂う。
Dear Theodosia
子供が生まれたアーロン・バーとアレクサンダー・ハミルトン。娘のセオドシアへの思いを歌うバーと、息子のフィリップへの思いを歌うハミルトンの歌声が交錯する。
Non-Stop
戦争の後、ハミルトンとバーはニューヨークに戻り、共に弁護士となる。熱心に働き成功を収めていくハミルトンに対し、バーは驚きと苛立ちを隠せない。ハミルトンは、初代大統領ジョージ・ワシントンの元で財務長官となり、一方アンジェリカはイギリス人の夫を見つけてロンドンへと引っ越す。
ACT II
What'd I Miss?
アメリカ合衆国建国の間、フランスに外交官として駐在していたトマス・ジェファーソンが1789年にアメリカへ帰国し、国務長官に任命される。マディソンから、財務長官であるハミルトンの進めていた財政政策に反対するように依頼されたジェファーソンは、「自分がいない間に何があったのか」と疑問に思う。
Cabinet Battle #1
連邦議会で財政政策について激しく討論するジェファーソンとハミルトン。
Take A Break
ハミルトンの息子のフィリップは9歳になり、ラップをして父親を驚かせる。忙しく仕事を続けるハミルトンは、イギリスから帰ってきたアンジェリカやイライザと一緒に休暇に出かけることなく、家にこもっている。
Say No To This
家族から離れ、仕事に没頭するハミルトンの心のスキマに入ってきたマリア・レイノルズ。「ノー」と言えず、男女の関係となってしまうハミルトンは、その後、マリアの夫のジェイムズレイノルズに脅され、口止め料を支払う。
The Room Where It Happens
ワシントンやマディンソンとの夕食の場で、政治の決定をしていくハミルトン。アーロン・バーはこれを羨み、自分も物事が決まる場所に同席したいものだと、自らの権力への野心を歌い上げる。
Schuyler Defeated
スカイラー家の父親フィリップが、選挙でアーロン・バーに敗北する。所属政党を変えてまで選挙に出て、義父と対決したバーに対し、信念はないのかと問い詰めるハミルトンに対し、バーは「チャンスがあったから掴んだだけだ」と答える。
Cabinet Battle #2
再び激しく議論をするジェファーソンとハミルトン。だが、大統領は、ハミルトンの意見を聞き入れる。
Washington On Your Side
ジョージ・ワシントンが、ハミルトンに肩入れしていることをやっかむジェファーソン、バー、マディソンは、「ワシントンが味方してくれるのはよいものだろうな」と歌う。
One Last Time
ジョージ・ワシントンに呼び出されたハミルトン。トマス・ジェファーソンが辞任し、次期大統領の座を狙っていることを聞かされる。「あなたに敵うかどうか」というハミルトンに、ワシントンは、自らも辞任することを告げる。
I Know Him
イギリスのジョージ三世は、ワシントンの後任がジョン・アダムズだと聞き、かつて会ったアダムズのことを回想する。
The Adams Administration
アダムス政権下でワシントンという後ろ盾を失い、首になったハミルトン。アダムス政権を批判する論文を多数発表する。
We Know
政権での仕事を失っても、筆の立つハミルトンをそのままにしておくのは危険だと考えるジェファーソン・マディソン・バー。ハミルトンがレイノルズへ払った小切手を発見し、使い込みの疑いをかけるジェファーソン・マディソン・バー。ハミルトンは、自らの不倫を告白。この話を秘密にしてくれるよう頼むハミルトンに対し、バーは「噂は大きくなる」と答える。
Hurricane
昔を回想し、いかに「書くこと」で自分の人生が変わってきたかに思いを馳せるハミルトン。
The Reynolds Pamphlet
マリア・レイノルズとの不倫を告白したハミルトン。このスキャンダルにより「ハミルトンは大統領にはなれないだろう」とジェファーソン。そこへ、妹イライザの身を案じたアンジェリカがロンドンより帰国する。
Burn
夫ハミルトンの不倫を知り、悲しむ妻のイライザ。これまで彼がどれだけ周りのからどう見られるかに心を砕き、書くことに情熱を燃やしてきたかを知りながら、自分はその語りの一部となることを拒絶する。
Blow Us All Away
ハミルトンの息子のフィリップは、人前で父を侮辱したジョージ・イーカーに決闘を申し込む。決闘の流儀を知らないフィリップは、父ハミルトンにアドバイスを求め、言われたとおり空に向かって引き金を引く、ジョージに撃たれる。
Stay Alive (Reprise)
病院に運び込まれた息子フィリップの元に駆けつけたハミルトンとイライザ。医師はできるだけのことを行うが、フィリップは命を失う。
It's Quiet Uptown
息子フィリップを失い、悲しみにくれるハミルトンとイライザ。静かなアップタウンに引っ越す。
The Election Of 1800
1800年の大統領選挙で、対立することになったアーロン・バーと、トマス・ジェファーソン。どちらを支持するか問われたハミルトンは、「ジェファーソンとは意見が合わないが、彼には信念があり、バーにはない」として、ジェファーソン支持を表明する。
Your Obedient Servant
大統領選に負け、副大統領となったアーロン・バー(※当時は、大統領と副大統領セットで闘うのではなく、大統領選挙で負けた候補が副大統領になる制度だった)は、自分を支持しなかったハミルトンに怒り、手紙のやり取りで決闘を申し込む。
Best Of Wives And Best Of Women
眠らずに何かを書いているハミルトンに対し、眠るようすすめるイライザ。ハミルトンは「夜明けにミーティングがあるんだ」と言い残す。
The World Was Wide Enough
夜明け、ハドソン川沿いに集まったバーとハミルトン。ハミルトンは空に銃口を向けて撃つが、バーの撃った銃弾はハミルトンの肋骨を撃ちぬく。バーは歴史的悪役となってしまった自らの運命を嘆き、「世界は、自分とハミルトン両方が生きられるだけの幅があった」と悔いる。
Who Lives, Who Dies, Who Tells Your Story
登場人物が集まり、他の建国の父のストーリーに比べ、語られることが少なかったハミルトンの功績を称える。一度はハミルトンの語りから自らを消したイライザは、ハミルトンと共に戦った兵士のインタビューをし、ハミルトンの遺した書物を読みとき、ハミルトンの遺志を継ぐべく、ワシントンDCでワシントン記念碑のための資金集めや、奴隷制反対活動などを行う。更にはニューヨークに初の孤児院を作る。
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ちなみに、わたしが好きな歌は、楽曲的には『The Room Where It Happens』『What'd I miss』『You'll be Back』。パフォーマンス的には最後のクライマックスである『The World Was Wide Enough』のハミルトンの鬼気迫るモノローグのところが好きです。舞台上では戦争の場面の歌もものすごく盛り上がってます!
Hamilton (Original Broadway Cast Recording) [Explicit]
- アーティスト: ヴァリアス・アーティスト
- 出版社/メーカー: Atlantic Records
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