今日は、読者の方からいただいた「パンセクシャルって何? バイセクシャルとはどう違うの?」という質問に答えます!
去年、乙武洋匡さんもパンセクシャルについてこんなツイートをされていました。
バイセクシャルとパンセクシャルの違いも教わった。「両性愛」と「全性愛」、漢字で表記すると、その違いも少しは理解しやすいかもしれない。この両者で比べるなら圧倒的にパンセクシャルのほうが多い気がするけど、“LGBT"の中に表記されているのはバイセクシャル。何でだろう?
— 乙武 洋匡 (@h_ototake) September 29, 2014
パンセクシャル
パンセクシャル(pansexuality)とは、日本語で全性愛のことです。
男性/女性の性の分類に適合しない人々も含め、あらゆる人々に恋をしたり、性的願望を抱いたりすること -- Wikipediaより
同性愛者や異性愛者は、主な性愛の対象が一つだけの性別に偏っていることが多いです。しかし、パンセクシャルは、複数の性が対象になります。
パンセクシャルとバイセクシャルはどう違う?
すべてのジェンダーが性愛の対象になるパンセクシャルは、男も女も性愛の対象になるバイセクシャルと、外形的にはよく似ています。実際「パンセクシャルはバイセクシャルの一種」とか「バイセクシャルとほぼ同じ」という説明されるようなこともあります。
パンセクシャルとは、比較的新しい概念ですので、パンセクシャルという概念が一般的になる以前、多くの人々は以前、バイセクシャルと自認していたと思います。
性別は「男と女」の二元論ではない
ところが最近になってパンセクシャルと自認する人が増えてきたのはなぜでしょうか?
一つには、バイセクシャルのバイ(bi)=2つという言葉が、「男と女」の2つのジェンダーしか指さないということがあると思います。最近では、人は肉体的にも、精神的にも、人の性は男女の2つしかないという性別二元論は否定されつつあります。
性自認についても同じことが言えます。以前は、トランスジェンダーについて「心の性と体の性の不一致」という説明がされ、「男/女になりたい人」、という風に理解されてきました。しかし、最近では「どちらでの性でもない」という意味での、ジェンダークィアや、ジェンダーフルーイッドを自認する人が増えてきました。日本語でもFTMやMTFなどという言葉だけでなく、「FtX」や「Xジェンダー」「中性」など、多くの言葉が使われています。これも「人の性は男と女の2つしかない」という概念が揺らぎつつあることの一つの証明でしょう。
この流れとともに、男女2つのジェンダーに属する人を性愛の対象とする「バイセクシャル」ではなく、より広い「すべての人」を性愛の対象とするという意味の「パンセクシャル」という言葉が支持を広げてきたのだと思います。
冒頭で紹介した乙武さんの「なぜLGBTに含まれるのはパンセクシャルではなく、バイセクシャルなのか?」という疑問に答えるなら、LGBTは比較的性別二元論に乗りやすい概念であり、その時代に作られた略語だからかもしれませんね。最近ではパンセクシャルやほかのセクシャリティーを含むLGBTQや、インターセックス、Aセクシャルなども明示的に含めたLGBTQIAなどと書かれる時もあります。略語なのにどんどん長くなってきますね。
増え続けるパンセクシャル
パンセクシャル自認の人は増え続けていて、最近のアメリカでクィア女性に人気の出会い系アプリとかではかなりの人数がパンセクシャルやジェンダーフルーイッドを自認しているそうです。←使ってる友達情報。
セレブでも、マイリー・サイラスなどがパンセクシャルであることを公にしています。彼女は14歳の時には「バイセクシャル」自認だったそうですが、その後、パンセクシャルに自認が変わったのですね。
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