最近、B級や掌編の紹介が続いていましたが、『PLUTO(冥王星명왕성)』は感情描写がしっかりしていてかなり推せる作品です!
あらすじ
ソウルで婚約しているヨン・ウは、高校時代の友達セ・ジョンに会いに、一人で地元に戻る。ヨン・ウとセ・ジョンは、かつて好意を持ち合い、仲良しだったのだが、ふとしたことから「もう遊ばない」と言ってしまって以来縁が切れていた。地元の窯元で一人焼き物を作っているセ・ジョンは「なぜ、会いに来たの?」と問い詰める。
感想(ネタバレあり)
ネタバレありです!以下一応フォントを白にしてますが、ネタバレ絶対イヤな人は、まず作品を見てから読んでくださいね!
切ないけど、なぜか幸せな気持ちになる作品。
良かったです!
なんだろ、見方によっては、このあとドロドロ展開なのでは?という解釈も可能なのだけど、とにかく描写が爽やかなので、それを感じさせない。まだ完全にオープンに同性同士でつきあうことが難しかった時代に恋人や友達以上の存在がいた人には特に刺さるのでは?
韓国ドラマにありがちな「回想シーン」と現在を挟み込みながら、二人の関係を描く構成。高校生時代も、大人時代と同じ役者が演じているので、話も読み取りやすいのと、キスシーンなどへの移行がしっかり説得力感じられて自然でした。
最後、ヨン・ウが握りつぶしている手紙は結婚式の招待状ですよね?韓国には、結婚式の招待状は、友達に直接会って渡す、という風習があるらしいです!つまり、ヨン・ウがセ・ジョンに会いに来たのは「結婚式の招待状を渡す」という目的もあったのだと思います。渡せなかったけど……。
韓国百合とは関係ないのですが、韓国でご結婚された方の体験談ブログが面白かったのでご紹介します。
ヨン・ウはオッパと結婚するのに、高校の頃身勝手な理由で別れを告げてしまったセ・ジョンにどうしても結婚前に会いたかった……というか、謝りたかったんでしょうね。「私の人生の中に、あなたがいてほしかった」というセリフは、かなりぐっと来たのでした。
でも、その夜こんなことになってしまって……(´艸`)だから結婚することは伝えたけど、招待状は渡せなかったのかな……。
しかも、(多分焼き物の完成に一ヶ月かかるというのもあり)「また、来てもいい?」「うん!来ないでって言っても来るでしょ」と笑顔で別れているけど、この二人は関係を続ける気満々なのでしょうか?うーん……これはこれで続くとまた辛い気もするよ?
まあ、わたしはそこで倫理的に「不倫ダメゼッタイ」とか言いたいわけじゃなくて、「いろいろあるよね」となってしまう派です。特にホモフォビックな時代や環境で育った人が、自らの気持ちを押さえつけた結果としての「こっそり付き合う」だとかそういうのに対しては、なかなかジャッジしきれない思いがあります。
ただ、セ・ジョンには絶対幸せになってほしいです!地方に残ってひたすらヨン・ウが来るのを待つ、みたいな感じだと可愛そうすぎるので!
視聴方法
YouTubeで観られます!(英語字幕つき)
評価
- ビジュアル ★★★☆☆
- ストーリー ★★★★☆
- エンパワメント ★★☆☆☆
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