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アメリカで働くレズの徒然

キュートで暴力的な世界観に酔え!『ハーレイ・クイン』映画感想

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY ホログラムクリアファイル / A4サイズ

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 バーズ・オブ・プレイ(原題:Birds of Prey: And the Fantabulous Emancipation of One Harley )』タイトル長っw を公開初日に観てきました!ドルビー最高!

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 バーズ・オブ・プレイ』あらすじ(ネタバレなし)

ジョーカーと別れ、失意のハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)。ゴッサム・シティいちの「悪」であるジョーカーの庇護から外れたことで、これまで恨みをかった数々の相手から追われることに。思い通りにならない相手は虐待もいとわない冷酷なクラブオーナー、シオニス(ユアン・マクレガー)に囚われたハーレイ・クインは、逃れるために「盗まれたダイヤモンドを取り返したら、自分を守って欲しい」と約束する。

ダイヤモンドを盗んだ少女キャスには巨額の懸賞金がかかり、ゴッサム・シティじゅうの「ワル」が留置所におしかける。

シオニスのクラブでシンガーとして働くブラック・ブラック・カナリー、犯罪の解決のために働きながらもなかなか功績が認められない警察官のレネ・モンタヤ、そして、クロスボウを操り、男たちを殺していく謎の暗殺者、ハントリー。女たちは、少女キャスを守れるのか?ハーレイは、ダイヤモンドを取り戻せるのか?

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 バーズ・オブ・プレイ』考察(軽いネタバレあり)

超カラフルでスカッとするアクション!ちょっと前半ダレましたが、後半面白かった!カラフルでバッドな独特の世界観に酔いしれよ!音楽もめちゃくちゃぶっ飛んでてイイ!

DCユニバースを全く知らなくても楽しめます。

ハーレイ・クインの成長譚

このお話って、「基本、街一番のワルとして有名な元カレと別れ、メソメソしている女が、トラブルを回復し、最後は自立してハッピーになる」という話なのですが、その過程で、シスターフッドが描かれてるところが素敵です。

これまでジョーカーに守られてきて、途中はブラック・マスクの庇護を依頼しようともするハーレイ。しかし、結局「あなたの保護なんて意味がない」と気づき、はっきりと伝えます。最後には、キャスを保護する役割になっているのが胸アツですね。ハーレイ・クインが成長しておる…涙。

本作は、主演のマーゴット・ロビーがプロデュースもしていますが、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で全然セリフのない挙げ句に殺されるシャロン・テート役を演じていた彼女をみて「もったいないな〜」と思ってたので、今回物語の語り手としても、主役としても、大画面で暴れまわる彼女を観られて本当に嬉しかったです!もちろん『スキャンダル』もよかったですしね。マーゴット・ロビー、旬の役者です!

カラフルでキッチュな世界観が好き!

本作は基本的にアクション…というか暴力シーンが多い映画が、シリアスなアクションモノではなく、銃からカラフルなカラーパウダーやキラキラのラメが降ってきたり、美しいです。「わあ〜」ってなりますね。出演者の衣装やメイクも皆可愛くて。今年のハロウィンはハーレイ・クインになる人多そう〜!ここらへんは前作スーサイド・スクワッドのテイストを踏襲してます。

で、それはそれで楽しいのですが、同じゴッサムシティが舞台なのに、バットマンの世界観と違いすぎで。アメコミ初心者としては戸惑いました。

あと、ダークな『ジョーカー』が大ヒットした後だけに「えっ、あの非モテキャラのジョーカーに彼女が出来たの??」って点も、意外すぎました。まあ精神病院で精神科医と患者として出会ったと聞いて「ああ」と納得しましたけどね。ま、ホアキン・ジョーカーはすっぱり忘れた方がいいです。

「バーズ・オブ・プレイ」メンツが揃うまで時間がかかりすぎ?

本作は、バーズ・オブ・プレイ結成のエピソードを描いたものですが、それにしてはメンバーが揃うまで時間がかかりすぎです。まあこのメンバーのバラバラっぷりも、味なのかもしれませんが、もうかなり後半になってからメンバーが揃ってテンションぶち上げ↑になるので。この盛り上がりをもう少しだけ前に持ってきてほしかったかな。

ガールパワーはハリウッドのトレンド

相変わらず男性中心であることが批判されるハリウッド。そんな現状へのアンチテーゼとしてか、ここ数年は「ガールパワー」をフィーチャーしたり、過去の作品を女性メインにしてリブートすることなどが流行っています。

マッド・マックス、ゴースト・バスターズ、チャーリーズ・エンジェル、ターミネーター…今回のバーズ・オブ・プレイもそんなガールパワー路線にしっかりのっており、キュートでクールなガールたちがしばしキック・アスする、強い女子好きにはたまらな展開になっています。監督もアジア人女性(キャシー・ヤン)で、ブロックバスター大作でアジア人女性がこのような役割につくことは稀なので、これから活躍してほしいです!スクリーン上での人種的多様性にも気を配っている雰囲気は感じられましたー!

男女の対立にしすぎていないか?

そのようにトレンドな「ガールパワー推し」で映画を作る時、多くの作品は「男」を仲間に入れることで、安易な男vs女という対立構図を作ることを避けてると思います。

しかし、ハーレイ・クインは、バーズ・オブ・プレイ側が全員女性で、悪役側は全員男性。露骨な「男vs女」の構図となっちゃってます。

また前半、シオニスがハーレイ・クインを縛り上げて殴ったりするシーンは個人的にリアルすぎて嫌だったですね。他のアクションシーンは結構皆ファンタジックなのに、なんでここの描写はリアルやねんって。個人的にはフラッシュバック注意なシーンだと感じました。

まあこのようなはっきりとした「男vs女」のチーム分け、なおかつ、前半の暴力シーンがあるからこそ、この作品の後半全体が「男からの暴力を受けた女達のリベンジ、そしてエンパワメント」みたいな文脈で解釈することも可能かなと思いました。キュートな味つけがなされているので、そこまで露骨ではないですがね。これって意図的なものなのかちょっと気になります。

クィアみはどう?

DCユニバースのなかでは、はっきりと「バイセクシュアル」なハーレイ・クインですが、残念ながら『バーズ・オブ・プレイ』のなかではハーレイを巡ったクィアなロマンスの気配はありません。

むしろ「ジョーカーとの別れから立ち直る」ことが主題になっており、ハーレイのヘテロっぷりが強調されている印象すらあります。

ただ、脇役にはクィアな解釈が可能な記号が散りばめられています。

まず、すぐ気づくのが悪役の郎ローマン・シオニス(ブラック・マスク)と彼の右腕である子分の間にあるケミストリー!二人の間に流れる微妙な、しかし確かに濃密なゲイゲイしい空気!

続いて、バーズ・オブ・プレイの一員であるレネ・モンタヤがレズビアンで、彼女の元カノがアリー・ウォンです。ナレーションのなかでさらっと触れられるだけなので、全く「クィアみ」ということはないですが、シオニスのようにホモ・エロティシズムをほのめかされるだけでなく、メインキャラクターが同性とパートナーシップを組む存在であることをしっかり示している点には好感を持ちました。

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 バーズ・オブ・プレイ』評価

映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 バーズ・オブ・プレイ』はロッテン・トマトで批評家スコア82%、オーディエンススコアは84%と、概ね高い評価を受けています。

  • 画面が可愛い度 ★★★★★
  • ガールパワー度 ★★★★★
  • 感動大作度  ★★★☆☆ 

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 バーズ・オブ・プレイ』概要

  • 監督:キャシー・ヤン
  • 脚本:クリスティーナ・ハドソン *上映時間:109分
  • 出演:マーゴット・ロビー、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ジャーニー・スモレット=ベル、ユアン・マクレガー、ロージー・ペレス、アリー・ウォン

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 バーズ・オブ・プレイ』日本公開

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 バーズ・オブ・プレイ』の日本公開は2020年3月20日に予定されています。

観るならIMAXやドルビーがおすすめです!

映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』公式サイト

www.atashimo.com

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