先日書いた韓国ドラマ『梨泰院(イテウォン)クラス』とうとう最後まで観ました。他のテレビドラマにも言えるのですが、毎日のように観ていたドラマが終わってしまうと、抜け殻のようになってしまいます。その空虚な気持ちを埋めるために動画をみたりインターネットをリサーチしたりしています。観終わるまではネタバレされるのが怖くて検索しないようにしていたけど、これからは心置きなく検索できます!
『梨泰院(イテウォン)クラス』あらすじ
確固たる信念を持ち、周りとは違う個性を持つ高校生パク・セロイ(パク・ソジュン)。転校先の学校でイジメっ子のチャン・グニョンを止めようと殴ってしまう。しかし、実は、グニョンはセロイの父親の勤務先であり、韓国を代表する食品会社『長家』の息子だった……。学校を退学になり、父をひき逃げされたばかりでなく、警察の不正な捜査のおかげで、刑務所に入る羽目に。中卒の前科者になってしまったセロイは、「長屋」への復讐を心に誓う。出所後。遠洋漁業や工場などで働き、資金を貯めて、ソウルのオシャレな繁華街梨泰院(イテウォン)にレストランを開店する。それは、かつて同じ要に小さなレストランから始まった長屋を追い落とすための計画の第一歩だった。
『梨泰院(イテウォン)クラス』感想
面白い!15年間に渡る山あり谷ありのスケールの大きい物語はスカッとします。恋愛あり、復習あり、成り上がり物語あり、裏切りあり、とてんこもりで面白いです。最初セロイの髪型が変ですが、それさえ乗り越えれば、なんとかなります!
強い女性キャラクター
梨泰院(イテウォン)クラスに出ている女性たちは、皆結婚していません。昔してたとかあるのかもしれませんが、このドラマには、「結婚生活」が出てこない。その代わりと言ってはなんですが、全員働いていて、有能で、非常に自立しています。
わたしが一番気にいったのは、敏腕マネージャーチョ・イソですが、初恋の美女オ・ソアも、野心的なカン・ミンジョンも、事情を抱えたマ・ヒョニも、全員気に入りました。また貸金業のおばちゃんも、地味ですが、めちゃくちゃ名演です。
ま、萌えという意味では、オ・ソアを演じたクウォン・ナラがレズビアン映画に出演しているらしいので、それに興味津々です!
多様なキャスト
梨泰院(イテウォン)クラスにはトランスジェンダー女性のキャラクターが出てきます。演じているのがトランスジェンダーではなく、シス女性なのですが、日本で行われているように、シス男性が演じるよりはましだと思いますし、また特に、トランスジェンダーであることによる不自然な感じもなく、自然と周りに溶け込んでいる感じがよかったです。しかし、トランスフォビアの描写もあり、アウティングや女性トイレでの心ない言葉など、胸が痛むシーンもありました。それでも、既に社会の中で生きているトランスジェンダーの描き方として、なかなか頑張っていると感じました。
もう一つ、多様なキャストということで印象に残るのが、生き別れた韓国人の父を探すアフリカから来たトニーです。外見こそ黒人ですが、韓国語ペラペラで、「韓国人」というアイデンティティを強く持つトニーは、外国人の多いイテウォンで「英語要員」として雇われたり、外国人扱いされることを嫌います。韓国国内でのレイシズムや、ミックスの人が置かれたアイデンティティの問題についてなど、さらりとした扱い方ではありますが、きちんと描かれていることが興味深かったです。
違和感があったところ①恋愛観
しかし、違和感があった部分も多くありました。ドラマなので、様々な偶然が都合よく起こりすぎ!とか、ビジネスまわりがあまりとか、そこらへんには目をつぶるとしても、特に気になったのは、恋愛観です。
キスは同意がなければダメ、とかしっかりしているように見えるところもあるのですが、それも、ダブルスタンダードですし(この言葉を発しているイソ自身は、泥酔しているセロイにキスしているので……)
そもそもずっと上司に片思いを続けているチョイソに限らないのだけど、同僚や、上司、部下関係にある人を恋愛対象にしているっぽい描写が多すぎです。ソアが最後、自分のカフェでイケメンシェフ雇う時も、ゲイのバーテンともども、いかにも、恋愛というか性愛的に消費する気まんまんで、これ、絶対セクハラっぽい職場になりそう……と勝手に心配になりました。
まあ人間なので、好きになっちゃうとか、結果的に恋に落ちてしまうのは仕方ないとしても、それをオープンに表すのはよいの?とか。それは表に出さずに職場ではプロフェッショナルに振る舞うのが大人なのではないの?とか。色々引っかかりました。
あとは。創業メンバーあんなにドロドロしてたら仲違いするやろ!とか、15年も経ってて、Aセクシュアルとかでもなさそうなのに、みんな誰ともつきあっていないとか、非現実的では?と。そこらへんの受け止められ方は文化によって違うんだろうけど、自分的にはいやいやーNGやん!って部分多かった。恋愛を抜きにしても、頭ポンポンが多くない?とか。
違和感があったところ②飲酒シーン
あとは、ちょっと話がズレますが、飲酒シーンが多いことも印象的でした。ほぼ毎回飲酒シーンがあり、しかも登場人物が皆泥酔するまで飲むんですよね!まあ飲み屋が舞台のドラマだからかもしれませんが、父親が未成年のセロイに「酒の飲み方」を教え、焼酎が甘いかどうか?で一日の充実を図るというシーンは繰り返しフラッシュバックされます。それ自体を批判するつもりはないのですが、とにかくアルコールが身近な文化なのだなあと思いました。
音楽がいい
音楽もいいです。
毎回決まった挿入曲が何曲か流れ、それぞれに「アデルっぽい曲」とか「コールドプレイっぽい曲」とか色々あるのですが、一番気に入っているのは、エンディングソングです。
韓国語では돌덩이、英語ではDiamondというタイトルなのですが、ドラマを見終わってからも、この曲を聴くと高校生の時からの様々なエピソードが脳裏に蘇り、「セロリ……頑張ったな……」と号泣してしまいます。
というわけで、よくも悪くも衝撃的だった韓国ドラマ『梨泰院(イテウォン)クラス』。
おすすめです!
韓国料理が食べたくなること間違いなしです!
↑原作はマンガなんですね!読んでみたい!