#あたシモ

アメリカで働くレズの徒然

「あの人の英語分かりづらいな…もっと発音練習すればいいのに…」と思って「ハッ!」とした話

Speak up, make your voice heard

今日は英語の話です。

わたしはアメリカで英語を使って暮らしています。そしてつくづく思うのが、日本にいた時にイメージしていた「ネイティブの英語」なんて実は存在しないのかもしれない、ということ。

アメリカの中でも、言葉は少しずつ違いますし、例えば、ざっくり分けて東海岸・南部・中西部と西海岸ではかなり英語は違います。また北カリフォルニアと南カリフォルニアでも、細かい違いはたくさんあります。移民が多いカリフォルニアに住んでいれば、インド系、中国系、韓国系などのアジア系はもちろん、ITデパートメントはインド人だらけ、ネイルサロンに入ればベトナム人、というような形で「移民の英語」にほぼ毎日触れています。わたしは、昔「自分は外国人だから…」という理由で英語には自信がなく、パーティーでも静かにしています。しかし、実は、わたしの住むカリフォルニアでは、割とみんなが移民で、ちょっとずつ間違った英語でも堂々と発音して、仕事をしたり、恋愛をしながら生き延びているのです。それを知ったあとは、自分の訛りのあるカタコト英語でも少しずつ堂々と自己主張ができるようになってきました。

さて、そんな風に英語での生活に慣れてきた最近、結構困ったのが、ものすごーく訛りの強い人で本当に何を言っているのかわからない場合。←内容はプロフェッショナルなことを言っていて、 文章でのコミュニケーションでは問題ないのに、電話会議などでマジで分かりづらい時。

これまで、英語圏出身者の英語がよくわからない時は「自分のリスニング力もまだまだだな」と素直に思え、頑張ろう!と謙虚に考えていました。しかし、最近外国語訛りの強く何を言っているのかわからない英語を耳にした時「もっと英語を勉強すればいいのに」とか「これだけ知識や能力のある人なのだから、せめて発音だけでも矯正のクラスを受ければ、もっと皆に伝わりやすいのに」と軽いイラだちを覚えている自分に気づいたのです。

ハッとしました。

本当は、相手の名前がイギリス訛りであろうと、南部訛りだろうと、フランス訛りであろうと、インド訛りであろうと、「わたしが」聞き慣れていないから聞き取れないのであって、自分が相手の話し方に慣れればよい話なのです。だって、自分だってそうしてもらって、自分のわけわかんないカタカナ英語を「許されて」、今ここにいるのですから。

ところが、わたしは、移民の話す英語に対しては突然、非常に態度を変えて「あなたが英語の話し方をアメリカ風に変えるべきだ」というように感じてしまっていた。そして、そういう「アメリカではアメリカの英語を話せ」みたいな思いって 実は移民差別の定番なんですよね。そのことに愕然としました。

「もう少しクリアに話してもらえますか?」とお願いしたくなるのを飲み込み、わたしは目をつむって電話の向こうの相手の声に耳を傾けました。伝わらないのは、発話する者だけの問題ではなく、同質的な英語にしか触れていない聞き取る側の能力の問題でもあるのです。

www.atashimo.com www.atashimo.com

www.atashimo.com

www.atashimo.com